和歌が単なるテストの材料になる危険
お久しブリです。
今年のお正月、『百人一首』から好きなものを選んで覚えるという冬休みの宿題が出されました。
長男はその中から3首ほど選んで覚えたようですが、選んだ和歌の意味を知ってるかと聞けば、
「わからん」と駄洒落のような返事があっただけでした。苦笑
考えてみると、教科書なんかで習う和歌って味気ないものだったな~と。
解説を読んでも「………それで?」みたいな感じというのでしょうか、
共感とかそういう次元に入ることすら出来ないように思うのです。
でも、和歌ってそんなものではありません。
人間の心に内に沸き立つ思いを31字という短い文字数に表すのですからね。
結局それは教科書に書いてあるからなのでしょうか…。
それとも、あとでテストに出されるから魅力が激減してしまうのでしょうか…。
もしかすると、教員こそが和歌を無味乾燥なものと捉えてしまっているのかもしれません。
14日の話題ですが、気になったのでメモしておきます。
「東京から一番近い棚田」として知られる大山千枚田(千葉県鴨川市)で昨年12月、課外授業で訪れた東京都足立区の小学生らが天皇陛下の歌碑に上り、男性教諭が記念撮影しようとしているのを千枚田の保存活動に取り組んでいるNPO法人が見つけ、区教委に抗議していたことが13日、関係者への取材で分かった。区教委は事実を認め、同法人に謝罪している。
区教委などによると、昨年12月中旬、自然教室で訪れた区立小学校の当時5年の児童らが大山千枚田を訪れ、千枚田を一望できる展望スペースに設置された歌碑に上った。付き添いの男性教諭は特に注意をすることなく、記念撮影をしようとしたという。
NPO法人「大山千枚田保存会」のメンバーが目撃し、口頭で注意した後、区教委に抗議した。
記念碑は平成24年に建立された。天皇、皇后両陛下が22年9月に棚田を訪問された際に陛下が詠まれた和歌が刻まれており、そばには建立の経緯を記した説明板もある。
区教委は、政治的な意図は全くなかったとした上で、「学校が石碑のことを十分に調べていなかった。今後はきちんと指導していく」としている。同会の石田三示理事長は「教諭ならばどういう場所を訪れようとしているのか事前に調べ、守るべきルールを児童らに教えておくべきではないか」と話している。
【転載終了】
御製だったから、このように取り上げられているのかもしれませんが、
歌碑に上る子を注意できない教員は、果たして引率といえるのかどうか…。
まあ、小学5年生の男子あたりであれば、テンションが上がっちゃって、
そんな奇行に出るような輩も出没する可能性が無きにしも非ず。
特に課外活動中でそれも好きな子が自分の近くにいれば、
訳も分からずおおはしゃぎしてしまうのかもしれません・・・。
それを落ち着かせ、どのような立ち居振る舞いをするのか指導するのが
教員なのではないでしょうか。
レクリエーションで千葉県まで行っていた訳ではないはずです。
それなのに記念撮影をしようとしたと。
意味不明です。
たぶん和歌の素晴らしさ、奥深さ、そして言葉の持つエネルギー(言霊)が
あまりよくお分かりにならない教員だったのでしょうね。
陛下の詠まれたものであろうがなかろうが、
歌碑に対する態度としてあまりになっていないように思うのです。
それはやはり和歌が単なるテストの材料になってしまっているからなのではないでしょうか。
和歌は塾でも扱います。
それも学校よりもはるかにテクニカルに扱うのです。
区切れや各種技巧をつかみ、得点につなげます。
たまに、本当はもっと奥深い世界があるのに…
そこからもっと想像をひろげて行くことだって出来るのに…と思います。
正直に告白すれば、そんな受験用の和歌指導なんてやりたくありません。
(あ、言っちゃった…笑)
だって、
「枕詞はその後に来る言葉を導くためにあるのです。(だから枕詞に特に意味はない。)」なんて
そんな説明をしなければならないのです。
でも、それはおかしい。
ただでさえ31字という短い文字数に、自分の思いをこめるのです。
枕詞に意味が無いなら、貴重な31字のうちの4~5字を無駄にすることになります。
でも、そんなもったいないことするわけ無いじゃないですか…常識的に。
そんな説明をされれば、誰だって「ふ~ん」てただそれだけの反応になります。
そういう教育を受け続けたら、和歌に価値なんて見出せるはずがありません。
学校や受験勉強で和歌を習うと、
和歌とは意味の無い言葉を最初にくっつけて、31字でまとめた日本の詩。
ただそこに使われる技術や作者名はテストによく出題される。
そんな風になってしまいます。
こんなの誰が価値を見出すのでしょうか。
そういうことが件の行動につながったのではないかと私は推測するのです。
ちょっと熱くなってしまいました。
でも受験とかテクニックとか関係ない和歌の授業があったら、
子ども達も和歌をもっと身近に感じるのではないでしょうか。
ありがとうございました。
講師全員が大好きなマンガ(塾にも置いてあります。笑)
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